小学生の英語教材を探してみると、本当にたくさんの商品が出てきます。
英語のテキスト、フォニックス教材、英語絵本、カードゲーム……。
選択肢が多いからこそ、
「結局、どれを買えばいいの?」
と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
でも、英語教材を選ぶときに大切なのは、一番人気の教材を探すことではないとボクは思っています。
英語が初めての子。
会話から少しずつ「読む」に進みたい子。
歌や動きを使う方が入りやすい子。
カードを出すと「何するの?」と興味を持つ子。
子どもによって、英語への入り口は違います。
この記事について
この記事では、英語教材をランキング順に並べるのではなく、
「どんな子に、なぜこの教材が合いそうなのか」
という視点から、小学生のおうち英語に使いやすい5つの教材を紹介します。
ボク自身が英語学童の現場で実際に使っている教材については、その経験も交えて紹介します。
一方、実際に使用していない教材については、出版社などの公開情報を調べたうえで紹介しています。
小学生の英語教材は「人気」だけで選ばなくていい
口コミが多い。
有名な出版社が作っている。
SNSでよく紹介されている。
もちろん、それも教材選びの参考になります。
ただ、人気の教材だからといって、すべての子どもに同じように合うとは限りません。
ここで一度、教材ではなく子どもの方を見てみるのがおすすめです。
「どれが一番人気?」ではなく、「うちの子なら、なぜこれ?」まで考えて選ぶ。
これはオンライン英会話を選ぶときにも同じです。

まずは「何を伸ばしたいか」を考えてみよう
教材を探す前に、
「この教材で何ができるようになってほしい?」
を考えてみます。
たとえば、
- 英語で簡単な会話をしてほしい → Let’s Go
- 英語を読む経験を少しずつ増やしたい → Oxford Reading Tree
- 文字と音の関係を順序立てて学んでほしい → Oxford Phonics World
- 英語の音やリズムを歌や動きから感じてほしい → Jolly Phonics
- カードを使って楽しく英語に入りたい → AGO
こんなふうに考えると、教材をかなり絞りやすくなります。

会話もワークもバランスよく学びたいなら「Let’s Go」
【情報の種類:ボクが実際に使用】
最初に紹介したいのが、Oxford University Pressの児童英語教材「Let’s Go」です。
今回紹介する教材の中でも、Let’s Goはボクにとって少し特別です。
Let’s Goは、ボク自身が英語学童の現場で長く使っている教材だからです。
現在の第5版はLet’s Begin 1・2からLevel 1〜6までの全8レベル。Student Bookには、新しい語彙や表現だけでなく、リーディングやリスニングの練習も収録されています。Oxford University Press Japan
「何から始めればいい?」で止まりにくい
英語を初めて学ぶとき、大人でも子どもでも、
「そもそも何から始めればいいの?」
というところで止まってしまうことがあります。
Let’s Goの良さのひとつは、レベルに沿って進むことで、会話で使う語彙やフレーズを少しずつ増やしていけるところです。
ボクは、「会話のレベルが上がる」というのは、相手と交換できる情報量が増えていくことだと考えています。
最初は単語や短いやり取りだったものが、少しずつ語彙やフレーズが増えて、自分から伝えられることも増えていく。
「次に何を学ぼう?」と毎回ゼロから考えなくても、順序立てて進めやすいのは、英語初心者にとって大きなメリットだと思います。
カード1枚でも、レベルに合わせて使い方を変えられる
Let’s Goには、各レベルにTeacher Cardsも用意されています。公式にも、語彙練習だけでなくゲームなどのアクティビティに使える教材として紹介されています。Oxford University Press Japan
ボクは現場で、このカードをかなり活用しています。
たとえば英語を始めたばかりの子なら、カードを使って神経衰弱。
少し慣れてきたら、引いたカードについて「Do you like ~?」と質問して、Yes / Noで答えるところから会話につなげます。
さらにレベルが上がれば、引いたカードに描かれた単語を使って、自分で英文を作ってもらうこともあります。
つまり同じカードでも、
遊ぶ → 単語に触れる → 質問に答える → 自分で英文を作る
と、子どもの英語レベルに合わせて使い方を変えられます。
大人数の中で英語を話すのが恥ずかしい子や、少しシャイな子なら、1対1でカードを使って遊ぶところから始める方法もあります。
会話したあとにWorkbookで「書く」まで確認できる
ボクがよく使うオーソドックスな流れは、
Student Bookやカードでその日の英語に触れる → 最後にWorkbookで書いて確認する
という形です。
必要に応じて同じ内容を繰り返し取り組むこともあります。
現在のLevel 1 WorkbookにはOnline Practiceも付属しています。Oxford University Press Japan
ただし、必ずWorkbookまでやらなければいけないわけではありません。
読むことや書くことに負担を感じやすい子なら、無理に書くことを中心にせず、テキストのイラストやカードを使いながら、耳から入ってくる英語を中心に取り組む方法もあります。
教材は同じでも、使い方まで全員同じにする必要はありません。
Let’s Goだけで英語学習が全部できるわけではない
長く使っている教材だからこそ、弱点もあります。
ボクが実際に使ってきた感覚では、Let’s Goは短い文章や口語表現を使って、実際に人とコミュニケーションを取る練習には使いやすい教材です。
一方で、上のレベルまで進んでも、長文読解を中心にした教材ではありません。
そのため、英検や中学受験などを視野に入れて長い英文を読む力を伸ばしていく段階では、その目的に合った教材も組み合わせた方がいいと考えています。
Let’s Goですべての英語学習を終わらせるのではなく、
まず英語を使ってコミュニケーションを取る土台を作る。
ボクはLet’s Goを、そんな位置づけの教材として使っています。
会話の次に「読む」に進みたいなら「Oxford Reading Tree」
【情報の種類:公開情報を調査】
英単語や簡単な会話には少しずつ慣れてきた。
「次は、そろそろ英語を読むことにも挑戦してほしい」
そんな家庭なら、Oxford Reading Tree(ORT)も候補です。
Oxford University Pressによると、ORTはイギリスの小学校の80%以上で使われているリーディング教材。200以上のストーリーがあり、10段階にレベル分けされています。頻繁に使う語彙や表現が繰り返し登場することも特徴です。Oxford University Press Japan
この**「段階がある」**というところも、英語初心者には大事だと思います。
いきなり長い英文を読ませるのではなく、短くやさしいものから始めて、少しずつ読む量やレベルを上げていけるからです。
Let’s Goが**「英語を使ってやり取りする」入り口なら、ORTは「英語を読む経験を増やしていく」入り口**として考えやすい教材です。
将来の英検や受験を考える家庭にも「読む経験」は大切
ORTそのものは、英検や中学受験の対策教材ではありません。
ただ、将来的に英検や受験などを考えているなら、「英語を読んで意味をつかむ」という経験は少しずつ増やしていきたいところです。
たとえば英検3級では、一次試験のリーディングに文章の内容を読み取る問題があり、二次試験でも約30語の英文を黙読・音読して、その内容について答えます。英検
だから、
「試験問題を解かせるのはまだ早い。でも、そろそろ英語を読むことには慣れてほしい」
という段階で、ORTのような段階的な読み物を取り入れる方法があります。
会話だけでなく、読む力にも少しずつつなげていきたい。
そんな家庭にとって、選択肢のひとつになると思います。
耳で覚えた英語と文字をつなげたいなら「Oxford Phonics World」
【情報の種類:公開情報+ボクが現場で感じていること】
「英語を聞けば分かる。でも、文字になるとうまく読めない」
そんな子に考えたいのがフォニックスです。
Oxford Phonics Worldは、英語の44の音を全5レベルで学んでいくフォニックス教材です。メインのコースブックを始める前にも、ほかの教材と並行する副教材としても使えるように作られています。Oxford University Press Japan
「聞いたことがある」と「読める」は同じではない
ボクが子どもたちを見ていてフォニックスの大切さを感じるのは、耳から覚えた英語と、文字で見た英語がつながる瞬間です。
子どもは、英語を話す先生の発音を耳で聞いて、そのまま上手に真似することがあります。
ところが、同じ単語をあとから文字で見て「読んでみて」と言うと、知っているはずの単語なのに、アルファベットを一文字ずつ日本語の音に近づけるような読み方になってしまうことがあります。
ボクの現場で子どもたちがよく使う言葉のひとつに「worksheet」があります。
先生とのやり取りの中で耳から覚えていると自然に言えていても、文字として「worksheet」を見た途端、音を一つひとつ区切るような読み方に変わってしまうことがあります。
そこで助けになるのが、文字と音の関係を学ぶフォニックスです。
「聞いたことがある英語」と「書いてある英語」を別々のものにしない。
文字を見たときにも、「この文字の組み合わせなら、こんな音になりそう」と考えるための土台になります。
もちろん、フォニックスを学べばすべての英単語を正しく読めるようになるわけではありません。
それでも、初めて見る単語の音を考えたり、英語を読むことへ進んだりするための手がかりになります。
「英単語をたくさん暗記させたい」というより、
英語の文字と音を、順序立ててつなげていきたい。
そんな家庭に合いやすい教材だと思います。

英語の音とリズムを身体で覚えたいなら「Jolly Phonics」
【情報の種類:公開情報+同シリーズをボクが現場で使用】
同じフォニックスでも、学び方はひとつではありません。
Jolly Phonicsは、42の主要な音を扱い、アクション・歌・ゲーム・ストーリーなどを組み合わせて学ぶ多感覚型のフォニックスプログラムです。公式によると、学校や家庭で150か国以上に広がっています。Jolly Learning
ボク自身も以前、Jolly Phonicsシリーズの「Finger Phonics」を現場で使っていました。
今回紹介するStudent Bookそのものではありませんが、Finger Phonicsでは指で文字をなぞりながら形と音に触れ、進んでいくと複数の文字が作る音や、それを使った単語にも触れていきます。
英語の歌は「楽しく歌う」だけではない
「英語を歌で学ぶ」と聞くと、
「子どもが英語の歌を元気に歌って、楽しく英語に親しむ」
というイメージを持つ方も多いと思います。
もちろん、それも歌の良さです。
でも、ボクは英語の歌の良さはそれだけではないと思っています。
歌にはメロディーとリズムがあります。
つまり、好きな長さ、好きな区切り方で英語を発音することができないという**「制約」**があります。
日本語の感覚で英語の音を一つひとつ区切ってしまうと、うまくメロディーに乗れないことがあります。
逆に、歌のリズムに合わせて英語を口にしようとすると、音のまとまりや強弱、英語らしいリズムを意識する必要が出てきます。
だから英語の歌は、
ただ楽しく覚えるためだけではなく、英語の音を英語のリズムの中で口にする練習にもなる。
これは小さな子どもだけの話ではありません。
ある程度英語を学んできた子や大人でも、英語の歌を使ってリズムやイントネーションをつかむ練習をすることがあります。
Jolly Phonicsの歌や動作も、単に「子どもを楽しませるためのおまけ」と考えるより、
耳・口・身体を使って英語の音に触れる仕掛け
と考えると、その特徴が分かりやすいと思います。
Oxford Phonics WorldとJolly Phonics、どっち?
どちらもフォニックスを学ぶ教材なので、
「結局、どっちがいいの?」
と思うかもしれません。
でも、どちらが上という話ではありません。
Oxford Phonics Worldは、テキストを使いながら段階的に文字と音をつなげていきたい家庭。
Jolly Phonicsは、歌・ストーリー・動作なども使いながら、身体全体で音に触れていきたい家庭。
そんなふうに、子どもの入りやすさから考えてみると選びやすくなります。

カードで楽しく英語に入りたいなら「AGO」
【情報の種類:ボクが現場で使用+公開情報を調査】
同じ英語を学ぶとしても、本で学ぶのとカードで学ぶのでは、子どもの反応が違うことがあります。
これは「勉強が苦手な子」だけの話ではありません。
ボクも英語学童の現場でカード教材を使ってきましたが、カードを出しただけで、
「お、何か楽しそう!」
という感じで、子どもたちの表情が変わることがあります。
「何を学ぶか」だけでなく「どう学ぶか」
テキストを開いて、
「今日はこれを勉強します」
と始める。
それももちろんひとつの方法です。
でも、同じ単語や英語表現でも、カードを並べる、引く、めくる、ゲームをする。
それだけで、子どもが「何するの?」と興味を持ってくれることがあります。
ボクは、ここにカード教材の大きな良さがあると感じています。
AGOは、そんなカードの特徴を英語学習に取り入れやすい教材です。
今回紹介するAGO Phonicsでは、カードゲームをしながらフォニックスの音や英単語に触れていきます。
もちろん、
「カードゲームで遊んでいれば、それだけで英語が全部身につく」
という意味ではありません。
AGOだけで英語学習を完結させるのではなく、英語に触れる入り口にしたり、ほかの教材で学んだことを使って遊んだりする。
そんな使い方もできます。
大切なのは、
「何を学ぶか」だけではなく、「どうやって学ぶか」を変えてみること。
同じ内容でも、学び方を変えるだけで子どもの入り方が変わることがあります。
「英語の勉強をもう少し楽しく始めたい」
「テキストだけではなく、遊びながら英語に触れる時間も作りたい」
そんな家庭なら、カード教材をひとつ持っておくのもいいと思います。
「一番いい教材」ではなく「うちの子に合う教材」を選ぼう
ここまで5つ紹介しましたが、どれかひとつが全員にとって一番いいわけではありません。
会話ややり取りを増やしたいならLet’s Go。
会話から一歩進んで、英語を読む経験も増やしたいならOxford Reading Tree。
耳で聞いた英語と文字をつなげたいならOxford Phonics World。
歌や動きも使いながら、英語の音とリズムに触れたいならJolly Phonics。
カードを使って、楽しそうと思えるところから入りたいならAGO。
大切なのは、商品から考え始めるのではなく、
「今のこの子なら、どんな入り方なら続けられそうかな?」
から考えることです。
英語教材は最初から全部そろえなくていい
ここも大事です。
「英語を始めるならStudent BookもWorkbookもカードも英語絵本も……」
と、一気にそろえる必要はありません。
まずひとつ試してみる。
子どもの反応を見る。
「もっとやりたい」となったら次を足す。
逆に合わなかったら、教材や使い方を変えてみる。
それで十分だと思います。

そして、ここでこの記事で一番伝えたいことに戻ります。
教材に子どもを合わせるのではなく、子どもに合わせて教材の使い方を変えていい。
いい教材を買うことそのものがゴールではありません。
その子が英語に触れ続けられる使い方を見つけることの方が、ずっと大切です。
教材だけで難しければ、オンライン英会話と組み合わせてもいい
教材を買ったものの、
「親がどう使えばいいか分からない」
「発音に自信がない」
「家だと親子だから集中してくれない」
ということもあります。
そんな場合は、教材だけで何とかしようとせず、オンライン英会話など、人とのやり取りを組み合わせる方法もあります。
教材で覚えた単語やフレーズを、実際の会話で使ってみる。
すると「覚える英語」と「使う英語」が少しずつつながっていきます。

まとめ|教材選びも「子どもから考える」
小学生向けの英語教材には、たくさんの選択肢があります。
だからこそ、「人気だから」「口コミが多いから」だけで決める必要はありません。
まず、
うちの子は、どんな方法なら英語に入りやすそうか。
そこから考えてみてください。
話す。
読む。
文字と音をつなぐ。
歌や動きから音を感じる。
カードで遊ぶ。
入り口は違ってもいい。
そして、途中で使い方を変えてもいい。
英語を始める方法そのものに迷っている場合は、まずこちらの記事から読むと全体像をつかみやすくなっています。

おうちでできる英語学習については、こちらでもまとめています。

