「小学生が英検5級を受けることになったけど、何から勉強すればいい?」
単語を覚える?
問題集を買う?
それとも、いきなり過去問を解いてみる?
英検5級は、英検の中では最初の級で、英語を学び始めた子どもでも目標にしやすい試験です。
でも、小学生が受けることを考えると、
「英語がどれくらいできるか」だけで勉強の始め方を決めるのは、少し違うと僕は思っています。
特に低学年では、英語の知識だけでなく、
「英検ってどんなもの?」
「テストってどうやって受けるの?」
「問題を解くってどういうこと?」
というところからスタートする子もいます。
だから大切なのは、「○ヶ月勉強すれば合格できる」と考えることより、まずその子の現在地を知ること。
この記事では、小学生が英検5級に挑戦するときの勉強法を、合格までの流れに沿って紹介します。
この記事について
この記事では、
現在地を知る → 必要な勉強をする → 問題形式に慣れる → 模擬テストをする → 苦手を補う → 本番
という流れで、小学生の英検5級の勉強法を紹介します。
「そもそも、うちの子は英検5級を受けられそう?」という方は、こちらの記事から読んでみてください。

小学生の英検5級は何から勉強すればいい?
英検5級の勉強というと、
「まず単語を覚えよう」
「文法を勉強しよう」
「過去問を解こう」
と考えがちです。
もちろん、どれも必要な勉強です。
でも僕は、その前にやってほしいことがあります。
最初に「今どこにいるか」を確認しよう
小学生の場合、同じ年齢でも英語の経験は本当にさまざまです。
英会話教室に何年も通っている子もいれば、学校の授業以外ではほとんど英語に触れていない子もいます。
おうち英語で英語をたくさん聞いてきた子もいるでしょう。
でも、現在地を見るときに確認したいのは、英語力だけではありません。
僕なら、次の4つを見ます。
① 英語の現在地
どのくらい英語に触れてきたのか。
聞く・読むなど、何が得意で何がまだ難しいのか。
② テストへの現在地
問題を読んで答えを選ぶことに慣れているか。
一定時間、問題に向かう経験があるか。
③ 子どもの気持ちの現在地
英検がどんなものか知っているか。
本人は受けてみたいと思っているか。
不安が強くないか。
④ 親の現在地
「受けるからには、一回で絶対に合格させたい」となっていないか。
実は、この4つ目もかなり大切だと思っています。
英検5級のスタート地点は、学年や英語歴だけでは決まりません。
「英語ができる」と「英語のテストができる」は同じではない
僕は普段、英語学童の運営に関わっています。
現場にいると、
「英語を話すこと」と
「英語の問題を解くこと」は、
似ているようで、少し違うと感じます。
英会話なら、言い間違えても言い直せます。
相手の表情を見たり、もう一度聞いたりしながら、コミュニケーションを続けることもできます。
でもテストは違います。
問題を見て、
「何を聞かれているんだろう?」
と考え、自分で答えを選び、決められた時間の中で次の問題へ進んでいかなければなりません。
分からない問題が出ても、その場で先生が助けてくれるわけではありません。
だから、
英検5級の勉強は、英語の知識を増やすだけではなく、「英語のテストを受ける準備」でもある。
僕はそう考えています。
英検5級合格までの勉強法【5ステップ】
では、実際にどう進めればいいのでしょうか。
すべての子がまったく同じ順番で進む必要はありませんが、ひとつの目安として5つのステップで考えてみます。
STEP1|まず英検5級がどんなテストか知る
最初から一回分の過去問を渡して、
「はい、やってみて!」
と始める必要はありません。
特に初めて英検を受ける子なら、まずは親子で問題を見てみるだけでもいいと思います。
「こういう問題が出るんだね」
「こっちは英語を聞いて答えるんだね」
「ここから答えを選ぶんだね」
そんなところから始めます。
英検5級は、リーディングとリスニングで構成されています。
まずは英検を「よく分からないテスト」から「こういうことをするテスト」に変えてあげる。
それだけでも、最初の一歩になります。
STEP2|その子に足りないところから勉強する
英検5級を受けるからといって、全員が同じ勉強から始める必要はありません。
単語がまだ少ない子。
英語を聞くことには慣れているけれど、文字になると難しい子。
単語は読めるけれど、英文になると意味をつかみにくい子。
英会話には慣れているけれど、問題を解く経験が少ない子。
現在地が違えば、必要な勉強も変わります。
まず一度問題を見て、
「この子は今、何ができていて、何がまだ難しいんだろう?」
と考えてみてください。
そこから必要な単語や基本表現、読む練習、聞く練習などを少しずつ増やしていけばOKです。
STEP3|少しずつ「問題を解く」ことに慣れる
基礎的な英語を学びながら、少しずつ英検の問題にも触れていきます。
ここでも、最初から一回分すべてをやらなくても大丈夫です。
数問だけでも、
問題を読む → 考える → 答えを選ぶ
という経験を積んでいきます。
英語を楽しむ時間と、問題に向かう時間。
小学生の場合、この2つをいきなり完全に切り替えるのは難しいこともあります。
日々のおうち英語や英会話で英語に触れながら、少しずつ「聞かれたことに答える」「問題を解く」という経験も増やしていきましょう。

STEP4|本番前に「模擬テスト」をやってみる
ある程度問題に慣れてきたら、僕は一度、本番に近い形でやってみることをおすすめします。
ここでは点数だけを見るのが目的ではありません。
たとえば、
・時間を計る
・机に座って取り組む
・途中で親が答えを教えない
・分からない問題があっても自分で進んでみる
・できるだけ本番と同じ流れで最後までやってみる
という形です。
英検5級の一次試験は、リーディング25分、リスニング約20分です。
でも実際の受験では、会場に着いて席に座り、説明を聞き、試験が始まるのを待つ時間もあります。
特に低学年では、こうした「テストを受けること」そのものが初めてに近い場合もあります。
だから過去問や問題集は、
「何点取れるかを確認するもの」だけではなく、「英検を受ける練習をするもの」としても使える。
と僕は思っています。
STEP5|模擬テストで見えた「新しい現在地」を確認する
模擬テストをしたら、点数だけを見て終わりにしないでください。
「単語が足りなかったかな?」
と思っていたけれど、実際には時間の使い方で困っていたかもしれません。
逆に、
「リスニングが心配だったけど、思ったより聞けていた!」
ということもあるでしょう。
分からない問題が出ると、そこでずっと止まってしまう子もいるかもしれません。
模擬テストをすると、最初には見えなかったことが見えてきます。
そこで、もう一度現在地を確認します。
現在地を確認
↓
必要な勉強をする
↓
模擬テスト
↓
新しい現在地を確認
↓
必要なところを補う
↓
本番へ
この繰り返しでいいと思います。
英検5級は何ヶ月勉強すれば合格できる?
「英検5級は何ヶ月勉強すれば合格できますか?」
気になるところですよね。
でも僕は、小学生の場合、この質問に「○ヶ月です」と一律に答えるのは難しいと思っています。
なぜなら、
その○ヶ月は、どこからスタートする子の○ヶ月なの?
という話になるからです。
すでに英語を何年も学んでいる子と、これからアルファベットや基本的な単語を学ぶ子では必要な時間が違います。
さらに同じくらいの英語力でも、
テストに慣れている高学年の子と、
英語は好きだけれどテストをほとんど経験したことがない低学年の子では、
必要な準備も違います。
「○ヶ月」は英語の知識を身につける期間の目安にはなっても、小学生が英検を受ける準備まで含めた期間を一律に表すものではありません。
だから「3ヶ月で間に合わせなきゃ」と考えるより、
今どこにいる?
↓
本番までに何が必要?
という順番で考える方がいいと思います。
初めての英検で親が意識したいこと
ここからは勉強法とは少し違いますが、小学生が英検に挑戦するときに僕が大切だと思っていることです。
「一回で絶対に合格」にしなくてもいい
もちろん、受けるからには合格を目指します。
だからといって、
「受験料を払ったんだから絶対に一回で受かって!」
と、合格することだけを子どもに背負わせる必要はないと思います。
特に初めて英検を受ける小学生なら、
「まず英検ってどんな感じか経験してみよう」
くらいの気持ちがあってもいい。
これは、
「勉強しなくてもいい」
「何回でも受ければいい」
という意味ではありません。
しっかり準備はする。でも、一発合格を絶対条件にはしない。
このくらいの距離感が、僕はちょうどいいと思っています。
初めて英検を受けること自体が経験になる
初めての場所へ行く。
決められた席に座る。
説明を聞く。
問題用紙を開く。
決められた時間、問題に向かう。
分からない問題があっても、自分で次へ進む。
大人には当たり前に見えることでも、小学生、特に低学年の子にとっては、これ自体が新しい経験です。
合否だけではなく、
「最後まで座れたね」
「リスニング、思ったよりできたね」
「前より読める問題が増えたね」
というところも見てあげたい。
その経験が、次の学習につながっていきます。
だからこそ、家庭で本番の練習をしておこう
初めての英検は、実際に受けてみること自体がひとつの経験になります。
とはいえ、「慣れるため」だけに何度も本番を受ける必要はありません。
英検には検定料もかかります。
だからこそ、本番前に過去問や問題集を使って、
「今日は英検の日だと思ってやってみよう!」
と家庭で模擬テストをしてみる。
これはかなり意味のある練習になると思います。
ちなみに、英検公式サイトでは5級の過去1年・3回分の問題冊子と解答を無料でダウンロードでき、リスニング音源も公開されています。
まずは無料の公式過去問を使ってみるのでも十分です。
ただ、英検に向けて何度も問題を解いたり、時間を計って模擬テストを繰り返したりするなら、僕は手元に1冊、過去問題集や問題集を用意しておくのもおすすめです。
印刷する手間がなく、すぐに問題を開けるので、
「今日はこの回をやってみよう」
「前に間違えたところをもう一度やってみよう」
と、繰り返し使いやすくなります。
無料の公式過去問でまず試して、繰り返し練習するなら1冊手元に置いておく。
そんな使い分けでもいいと思います。
問題集は、単にたくさん問題を解かせるためだけのものではありません。
本番を経験する前の“小さな本番”を家庭で作るためにも使える。
そんな使い方もしてみてください。
小学生の英検5級は「その子の現在地」から始めよう
英検5級は、英語学習を始めた子どもが最初の目標にしやすい級です。
でも、
「英検5級だからこの勉強法」
と、すべての小学生に同じ方法を当てはめる必要はありません。
英語をどのくらい知っているか。
テストにどのくらい慣れているか。
本人は英検をどう感じているか。
そして親が、一発合格だけを求めていないか。
まずはそこを見てみてください。
そして、
現在地を知る
↓
必要なところを勉強する
↓
問題形式に慣れる
↓
模擬テストをする
↓
もう一度現在地を見る
↓
本番へ
この流れで十分です。
英検5級の勉強で大切なのは、「最短○ヶ月で合格すること」より、その子の現在地からスタートすること。
英検への挑戦を、
「合格した・不合格だった」
だけで終わらせず、
「英語の問題ってこうやって解くんだ」
「前より分かるようになった」
「次はここを頑張ってみよう」
と思える経験につなげていけたらいいですね。
