小学生が英検5級を受ける目安は?初めての英検で確認したい5つのポイント

「うちの子、そろそろ英検5級を受けても大丈夫ですか?」

英語学童で子どもたちと関わっていると、保護者の方からよく聞かれる質問です。

ほかにも、

「5級を飛ばして4級から受けてもいいですか?」

「まだ英検は受けなくてもいいと思っているんですが……」

「英語学童に通っているだけではダメですか?」

「初めての英検なら、何から勉強すればいいですか?」

など、英検についての相談はいろいろあります。

英検5級を受ける目安というと、「何年生から?」「単語をいくつ覚えていればいい?」といった基準が気になるかもしれません。

もちろん、英語力はひとつの目安です。

でも、僕が子どもたちを見ていて、それより先に大切にしたいと思っていることがあります。


それは、子ども本人が「やってみたい!」と思っているかどうかです。

英検は、小学生全員が同じタイミングで受ける必要はありません。

この記事では、英語学童の現場で子どもたちを見てきた僕の経験も交えながら、「そろそろ5級を受けてもいい?」と迷ったときに確認したいポイントを紹介します。

この記事について

この記事では、小学生が初めて英検5級を受けるときの「受けどき」を考えます。

・英検5級を受ける目安
・僕が英語力より先に見ていること
・初めてなら5級と4級のどちらがいい?
・英語学童や英会話だけではダメ?
・受験を決めたら何から始めればいい?

「何年生だから受ける」ではなく、今のわが子にとって英検に挑戦するいいタイミングなのかを一緒に考えてみましょう。

※まだ「そもそも小学生のうちに英検を受けた方がいいの?」と迷っている方は、まずこちらの記事からどうぞ。

目次

小学生が英検5級を受ける目安は「何年生」だけでは決められない

英検5級は、英検公式では「中学初級程度」が目安とされています。

だからといって、

「中学生にならないと受けられない」

という意味ではありません。

小学生でも英語に触れてきた量や学習状況は一人ひとり違います。

小学3年生でも簡単な英文を理解できる子もいれば、小学6年生から英語を本格的に始める子もいます。

僕は「小学○年生になったら5級」と学年だけで決める必要はないと思っています。

では、何を見るのか。

まず僕が見たいのは、本人の気持ちです。

「やってみたい!」も立派な受ける目安

子どもが、

「英検やってみたい!」

「友だちが受けたから僕も受けたい!」

「5級ってどんな問題なの?」

と興味を持ち始めた。

僕なら、その気持ちはかなり大切にします。

もちろん、まったく英語に触れたことがない状態なら、まず英語そのものに親しむところから始めた方がいいでしょう。

でも、ある程度英語に触れていて、本人が前のめりになっているなら、

「まだこの文法を習っていないから」

「単語を○個覚えていないから」

という理由だけで止める必要はないと思っています。


「できるようになってから挑戦する」だけではなく、「挑戦したいから勉強してできるようになる」という順番があってもいい。

特に小学生の場合、この「やってみたい!」は学習を進める大きな力になります。

僕が考える「英検5級を受けてみてもいい」5つの目安

では、本人の意欲以外にどんなところを見ればいいのでしょうか。

ここでは僕が考える5つの目安を紹介します。

1.本人が英検に興味を持っている

まずは先ほどの「やってみたい」です。

これは5つの中でも、僕がかなり大切にしているポイントです。

英検の勉強を始めれば、普段の英会話とは違って単語を覚えたり、問題を解いたりする時間も必要になります。

だからこそ、本人の「やってみようかな」があると強い。

親が受けさせたいタイミングと、本人が挑戦したいタイミング。

できれば、この2つが近づいたところで始められるといいと思います。

2.単語だけでなく簡単な英文に触れている

英語の単語をたくさん知っていることも大切ですが、英検では単語だけではなく文として英語を理解する必要があります。

たとえば、

I am ~.

This is ~.

I like dogs.

のような、シンプルな英文です。

完璧に文法用語を説明できる必要はありません。

「amはbe動詞で……」と説明できなくても、I am ~. という形を見たり使ったりした経験がある。

まずはそんな状態でもいいと思います。

ちょっと英語トリビア

ちなみに「犬が好き」と言いたいときは、通常 I like dogs. と複数形にします。

I like dog. とすると、文脈によっては「犬肉が好き」という意味に受け取られることもあります。

こういう小さな違いも、英語を文として学んでいく面白さのひとつです。

3.英語の基本的なルールに少しずつ触れている

英検5級は基礎的な内容ですが、英語のルールをまったく知らなくても解ける試験ではありません。

たとえば a と an の違いなど、英語の基本的なルールにも触れていきます。

ここでも「全部理解してから受験」と考えなくて大丈夫。

むしろ英検5級の勉強をきっかけに、

「あ、こういうときはanなんだ」

「この言い方にはルールがあるんだ」

と、これまで感覚的に使っていた英語を整理していくことにも意味があります。

4.簡単な英語を聞いて意味をつかめる

英検5級にはリスニングもあります。

普段から英語学童や英会話、動画などで英語を聞いている子なら、ここは比較的入りやすいこともあります。

すべての単語を日本語に訳せる必要はありません。

簡単な質問や会話を聞いて、

「たぶんこういうことを言っているな」

と意味をつかむ経験があるかどうかを見てみましょう。

5.実際の5級問題を見ても「やってみよう」と思える

最後は、実際の問題を見てみること。

これが一番分かりやすいかもしれません。

親が「この子なら受かりそう」と思っていても、本人が問題を見て、

「何これ!絶対やりたくない!」

となることもあります。

逆に、まだ知らない単語があっても、

「これならやってみたい」

「もう一問やりたい」

となる子もいます。

点数だけでなく、問題を見たときの子どもの反応もひとつの目安にしてみてください。

初めての英検なら4級からでもいい?僕は5級からをすすめたい

「うちの子は結構英語ができるので、5級を飛ばして4級からでもいいですか?」

これも実際によく聞かれます。

もちろん、英語力がかなり高い子なら4級から受ける選択肢もあります。

それでも僕は、小学生が初めて英検を受けるなら、基本的には5級からをおすすめしています。

理由は、5級には「英語力を測る」以外の意味もあると思っているからです。

4級も狙えそうな小学3年生にも5級をすすめたい

実際に、僕が関わった小学3年生で、英語をかなりよく理解している子がいました。

英語力だけを見れば、

「もしかしたら4級からでもいけるかな」

と思えるくらいです。

それでも最初は5級をすすめました。

結果は、かなりいいスコア。

「これなら4級も狙えそうだね」という結果でした。

では、5級を受けたのは無駄だったのでしょうか。

僕はまったくそう思いません。

その子にとっては、

「英検ってこういうものなんだ」

と実際の試験を経験できた。

そして、

「できた!」

という成功体験も得られた。

すると当然、

「じゃあ次、4級いけるんじゃない?」

という気持ちになります。

実際、本人も次への意欲が出てきます。


初めての5級は、資格をひとつ取るだけではなく、「僕にもできた。次もやってみたい」という成功体験を作る機会にもなる。

だから僕は、少しくらい簡単に感じそうでも、初めてなら5級から始めることをおすすめしています。

英語学童に通っているだけではダメ?

「英語学童に通っているから、英検の勉強は特にしなくても大丈夫ですよね?」

これも難しい質問です。

僕の答えは、

英語学童で身につける英語と、英検で必要になる力には共通する部分もあるけれど、まったく同じではない

です。

「英語を使える」と「英検の問題を解ける」は同じではない

英会話では、間違えることは悪いことではありません。

たとえば、こんな会話があったとします。

A「Globeって知ってる?」

B「あ、glove?持ってるよ!」

A「違う違う(笑)。僕たちが住んでる方のglobe!」

B「あー!そっちね(笑)」

会話なら、これでいいんです。

聞き間違えたり、言い間違えたりしても、相手に聞き返したり訂正してもらったりできる。

むしろ、その間違いから笑いが生まれてコミュニケーションがよくなることだってあります。

ところが試験は違います。

問題に対して違う答えを選べば「×」。

そこで終わりです。

つまり英検では、普段のコミュニケーションとは少し違って、語彙や文法を正確に理解して問題に答える力も必要になります。

これは大人の英語学習でも似ています。

英語で会話はできるのにTOEICでは思ったほど点が取れない人もいれば、TOEICでは高得点でも英語の電話や会議になると怖くなってしまう人もいます。

「英語ができる」という言葉には、実はいろいろな力が含まれているんです。

英語学童が「栄養」なら、英検は「健康診断」

僕は、英語学童と英検の関係をこんなふうに考えています。

英語学童や英会話、おうち英語などで日常的に英語に触れることが、**成長するための「栄養」**だとします。

では、英検は何か。

僕にとっては、**「健康診断」**に近い存在です。

毎日の生活でしっかり栄養をとって成長する。

そして、ときどき健康診断を受けて、

「ここは順調に育っているな」

「ここはもう少し補った方がよさそうだな」

と現在地を確認する。

英語も同じです。


英検のために英語を学ぶのではなく、普段育てている英語力の現在地を、英検という物差しでときどき確認する。

そう考えると、英語学童や英会話に通っている子にこそ、英検を上手に併用する意味があると僕は思っています。


英検5級を受けると決めたら、まず1冊テキストを用意しよう

では「5級を受けてみよう」と決めたら、何から始めればいいのでしょうか。

ここは少し強めに言います。

僕は、英検5級を受けるなら英検対策用のテキストを最低1冊は用意することをおすすめします。

普段から英語学童や英会話でたくさん英語に触れている子でも同じです。

なぜなら、英会話と英検は同じ英語でも「種目」が違うから。

フィギュアスケートとスピードスケートは同じ練習をしない

たとえばフィギュアスケートとスピードスケート。

どちらもスケート靴を履いて、氷の上を滑ります。

でも競技の目的は違います。

必要な技術も違えば、使う筋肉やトレーニング方法だって違います。

英語も同じだと思っています。

英語学童や英会話では、間違えてもいいから相手に伝える、聞き返す、会話を続ける。

そんなコミュニケーションの力をたくさん使います。

一方、英検では決められた問題を読み、聞き、正しい答えを選ぶ力が必要です。


同じ英語でも種目が違うなら、トレーニング方法が違うのは当たり前です。

だから英検を受けると決めたら、「英検という種目」の練習もしておきましょう。

そのために一番取り入れやすいのが、英検5級用のテキストです。

何冊も買わなくていい。まずは1冊やってみる

とはいえ、最初から何冊も教材を買う必要はありません。

まずは子どもが取り組みやすそうな5級用テキストを1冊。

実際に問題を解いてみると、

「単語はかなり分かる」

「文法になると間違えるな」

「リスニングは思ったよりできる!」

など、その子の現在地が見えてきます。

そこで初めて、

「じゃあ単語をもう少し増やそう」

「この文法を練習してみよう」

と次にやることを考えればいい。

そしてテキストを一通り進めたら、受験前に過去問を使って本番形式にも触れておくと安心です。
ただ、最初から何冊もそろえる必要はありません。まずは**「この1冊をやってみよう」**で十分だと思います。

まだ5級を受ける段階じゃなさそうなら、急がなくていい

実際の問題を見てみたら、

「まだちょっと難しそう」

となることもあります。

それなら、無理に受けなくてもいいと思います。

英検5級は、小学生のうちに絶対取らなければならない資格ではありません。

特に本人が英検にまったく興味を持っていないのに、

「周りが受けているから」

「○年生だから」

という理由だけで無理に進める必要はないでしょう。

英検の勉強がきっかけで、英語そのものまで嫌いになってしまったらもったいない。

今はまだ英検よりも、楽しく英語に触れる量を増やした方がよさそうなら、おうち英語や英会話など別の方法もあります。

また、家だけでは英語に触れる機会を作りにくい場合は、オンライン英会話を試してみるのもひとつの方法です。

ただし、オンライン英会話は「英検5級に受かるためだけ」に選ぶ必要はありません。

英語を聞く、話す、人とコミュニケーションを取る。

そんな英語そのものの力を育てる場所として考えてみてください。

まとめ|英検5級は「合格できそう」だけで受けどきを決めなくていい

小学生が英検5級を受ける目安は、単純に「小学○年生になったら」と決められるものではありません。

簡単な英文に触れているか。

英語を聞いて意味をつかめるか。

基本的な英語のルールに触れているか。

こうした英語力も、もちろん大切です。

でも僕が、それと同じくらい大切にしたいのが、

本人の「やってみたい!」という気持ちです。

初めてなら、少しくらい簡単に感じても5級から始めていい。

英検という試験を経験して、

「できた!」

という成功体験を作る。

そこから、

「次は4級もやってみたい!」

となれば、それも立派な英語学習のモチベーションです。

そして、英検だけを英語学習のゴールにする必要もありません。

英語学童、英会話、おうち英語などで、日々たくさんの「栄養」を吸収する。

ときどき英検という「健康診断」を使って現在地を確認する。

結果を見ながら、また次に必要な栄養を考えていく。

僕は、そんなふうに英検と付き合っていけばいいと思っています。


英検5級はゴールではなく、「今どのくらい育っているかな?」を知って、次の一歩を考えるきっかけのひとつです。

もし子どもから「やってみたい!」が出てきたら。

その気持ちを、最初の一歩にしてみてはいかがでしょうか。

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