オランダは、英語を母語としない国の中でも「英語力が高い国」としてよく知られています。
実際、世界各国・地域の英語力を比較する「EF English Proficiency Index(EF EPI)2025」では、オランダが123の国・地域の中で1位となっています。
では、なぜオランダではこれほど英語を使える人が多いのでしょうか。
僕は英語学童の運営に携わる中で、子どもたちが英語を身につけていく様子を見てきました。
その経験からオランダの英語環境を見てみると、日本の子どもの英語教育にも参考になりそうなポイントがあります。
この記事では、最新データやオランダの教育制度を確認しながら、「英語ができる国」から家庭英語について考えてみます。
この記事について
この記事では、オランダ政府や教育機関、EF English Proficiency Indexなどの公開情報をもとに、オランダの英語教育や英語環境について紹介します。
なお、以前この記事では「オランダ人の94%がバイリンガル」という数字を紹介していましたが、現在確認できる信頼性の高い最新資料では同じ条件のデータを確認できなかったため、今回のリライトでは使用していません。
オランダは本当に英語力が世界1位?
はい。
EFが発表した「EF English Proficiency Index 2025」では、オランダは123の国・地域の中で1位となっています。
EF EPIは、英語を母語としない成人の英語力を測定した指標です。
2025年版では約220万人の成人のテスト結果をもとにランキングが作られており、オランダのスコアは624。「Very High(非常に高い)」に分類されています。
英語を母語としない国・地域を対象とした2025年の調査で、オランダは英語力世界1位となっています。
ただし、ここで注意したいのは「オランダ人全員が英語を流暢に話せる」という意味ではないこと。
EF EPIは調査に参加した成人のテスト結果をもとにした指標なので、国民全員の英語力をそのまま表しているわけではありません。
なぜオランダ人は英語が上手なの?
「学校で英語をたくさん勉強しているから」
もちろん、それも理由のひとつでしょう。
ただ、オランダの英語環境を調べてみると、それだけではないことが見えてきます。

理由① 小学校で英語を学ぶ環境がある
オランダでは、英語は小学校の必修科目のひとつです。
ただし、すべての学校が同じ年齢から同じ方法で英語を教えているわけではありません。
学校によって英語教育を始める時期や方法には違いがあります。
中には低学年から英語に触れる学校もあり、英語を使って一部の授業を行う教育も実施されています。
「何歳になったら英語を勉強する」というより、子どもの頃から英語に触れられる選択肢があるわけです。
理由② 英語を「勉強」だけで終わらせない
ここは、日本の家庭英語を考えるときにも大切なポイントだと思います。
英単語を覚える。
文法を勉強する。
テストで正解する。
もちろん、こうした勉強も必要です。
でも英語は、本来は人とコミュニケーションを取ったり、情報を得たりするための「ことば」です。
英語を「覚えるもの」だけではなく、「使うもの」として経験することが大切です。
これは僕が英語学童で子どもたちを見ていても感じることです。
最初は英語がほとんど分からない子でも、遊びや生活の中で何度も同じ英語に触れていると、少しずつ意味と英語がつながっていくことがあります。

理由③ 英語に触れる機会を作りやすい
英語力を伸ばすうえで、もうひとつ無視できないのが「英語に触れる量」です。
週に一度だけ英語を勉強して、残りの時間はまったく英語に触れない。
それよりも、
英語の動画を見る。
英語の本を読む。
英語でゲームをする。
英語を使って誰かと話す。
そんな小さな接触が日常の中にあるほうが、英語との距離は近くなります。
大切なのは、海外とまったく同じ環境を日本の家庭に作ることではありません。
家庭の中で「英語に出会う回数」を少しずつ増やしていくことなら、日本でもできます。
日本の家庭でもできることは?
では、オランダの教育制度をそのまま日本で真似すればいいのでしょうか。
僕はそうは思いません。
国の教育制度も違えば、英語が使われる環境も違います。
だからこそ参考にしたいのは、制度そのものではなく、
「英語に触れる機会を増やす」
という考え方です。

たとえば、
・好きなアニメを英語で見てみる
・英語の絵本を一緒に読む
・フォニックスに触れてみる
・英語のゲームや歌を楽しむ
・オンライン英会話を試してみる
・英語学童など英語を使う場所へ行ってみる
方法はひとつではありません。
大切なのは、英語を始めることよりも「子どもが無理なく英語に触れ続けられる環境」を作ることだと思います。

英語に興味を持たない子もいる
そして、もうひとつ忘れたくないことがあります。
すべての子どもが英語を好きになるわけではありません。
親が「英語を身につけてほしい」と思っても、本人がまったく興味を示さないこともあります。
そんなときに無理やり英語の時間を増やしてしまうと、英語そのものが嫌になってしまう可能性もあります。
まずはその子が好きなものと英語をつなげられないか考えてみる。
ゲームが好きならゲーム。
歌が好きなら音楽。
恐竜が好きなら英語の恐竜動画。
英語そのものを目的にしなくてもいいと思います。

まとめ|オランダから学べるのは「英語との距離」
オランダは、EF EPI 2025で英語力世界1位となっています。
小学校で英語が必修になっていることや、早い時期から英語に触れる教育の選択肢があることなど、英語に接する環境には日本との違いがあります。
ただ、日本のおうちでオランダと同じ教育環境を作る必要はありません。
ボクが参考にしたいと思うのは、
「英語を特別な勉強だけにしない」
という考え方です。
そんな小さな経験を積み重ねて、英語との距離を少しずつ縮めていく。
おうち英語では、それくらいのスタートでも十分なのではないでしょうか。
